SORCERIAN

THE AX THAT A DWARF LEFT
『ドワーフの置土産』

forever - フォーエバー	Original - オリジナル
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冒険の書シナリオデータ

Prologue 〜プロローグ〜

　「——お引き取り下さい。あなた方には荷が重いでしょう」
　言ってからエルフの門番は“しまった”と思った。
　やんわりと断るつもりだったが、これでは逆効果だ。
「貴様ッ、我らを愚弄するか！」
「バルア皇国の英雄と呼ばれし我らの名、当然知っていようが！」
　目くじらを立てて騎士たちが詰め寄ってきた。ちなみに名前はすぐに忘れてしまった。つまり全く聞いたことはない。
「そうではありません」
　溜息をつきながら、エルフの門番はどう説明したらいいものか途方に暮れていた。目の前には、はるばる異国かやって来たという四人連れの騎士たちがいる。無下にするのも失礼だ。しかし彼らが身につけた装備ときたら・・・・。
　フルフェイスのヘルメット。
　板金を張り合わせたプレートアーマー。
　たらいのように大きなラウンドシールド。
　そして極め付きは背中に吊るしたグレードソード。一体どうやって楯と併せて使うつもりなのだろう？
　その蟹のような姿を見た時、エルフの門番は目を疑ったものだ。
　とても正気の沙汰とは思えない。彼らは何をしに行くつもりなのか。仮想舞踏会でウケでも狙うつもりなのか。戦場だってこんなトチ狂った格好の騎士はいないだろう。
　——ましてや名匠ポルフ・ぺぺが設計した「ドワーフの迷宮」に挑むならば。「あなた方は判っておられない。この迷宮は世界で最も深いと言われています。しかも危険なトラップが数多くある。失礼ですが、少し装備を軽くすることをお薦めしますよ」
　無難な返事を思いつき、エルフの門番は丁寧な口調で応じた。
　ぶしつけな連中のあしらいには慣れている。格好だけである事が多いので、何かもっともらしい口実を与えると退散してくれるのだ。
　・・・・しかし返事は嘲りに満ちた笑いだった。
「エルフ風情が何を偉そうに！」
「そのようなことは百も承知！　卑しき亜人の迷宮などに翻弄され、大騒ぎしているペンタウァ人の不甲斐なさ、我がバルア皇国にも伝わっておる！」
「さすが子供の使うような剣と鎧しかない貧乏国だわ！」
「我らはソーサリアンなどという胡乱な輩とは格が違うのだ！」
洞窟の入口のソーサリアンたち「・・・・ほう、それはそれは」
　エルフの門番は、さも感心したように頷いた。
『卑しき亜人〜』の辺りで頬が引きつりかけたが、何とかこらえる事ができた。これも日頃の修練の賜物だろう。
　しかし『子供の剣と鎧』とはよく言ったものだ。七惑星の力を帯びた装備は、それだけで絶大な攻撃力と防御力を秘める。重いだけの剣や鎧など必要ないのである。そんな事すら知らぬとは——エルフの門番は一人ごちた。
「遊歴の身ながら名高きバルア騎士である我らが、わざわざペンタウァなどという辺境の地を訪れてやったのだ」
「ありがたいと思え！」「真の勇者を知らしめてくれる」
「御託はいいから早く門を開けないか！」
　口々に喚きたてる四人の騎士。得意満面といった様子だ。
　エルフの門番はにっこりと微笑んだ。
「ではご案内しましょう。幸運をお祈りしています」

Prologue 〜プロローグ〜
「——お引き取り下さい。あなた方には荷が重いでしょう」　言ってからエルフの門番は“しまった”と思った。　やんわりと断るつもりだったが、これでは逆効果だ。「貴様ッ、我らを愚弄するか！」「バルア皇国の英雄と呼ばれし我らの名、当然知っていようが！」　目くじらを立てて騎士たちが詰め寄ってきた。ちなみに名前はすぐに忘れてしまった。つまり全く聞いたことはない。「そうではありません」　溜息をつきながら、エルフの門番はどう説明したらいいものか途方に暮れていた。目の前には、はるばる異国かやって来たという四人連れの騎士たちがいる。無下にするのも失礼だ。しかし彼らが身につけた装備ときたら・・・・。　フルフェイスのヘルメット。　板金を張り合わせたプレートアーマー。　たらいのように大きなラウンドシールド。　そして極め付きは背中に吊るしたグレードソード。一体どうやって楯と併せて使うつもりなのだろう？　その蟹のような姿を見た時、エルフの門番は目を疑ったものだ。　とても正気の沙汰とは思えない。彼らは何をしに行くつもりなのか。仮想舞踏会でウケでも狙うつもりなのか。戦場だってこんなトチ狂った格好の騎士はいないだろう。　——ましてや名匠ポルフ・ぺぺが設計した「ドワーフの迷宮」に挑むならば。「あなた方は判っておられない。この迷宮は世界で最も深いと言われています。しかも危険なトラップが数多くある。失礼ですが、少し装備を軽くすることをお薦めしますよ」　無難な返事を思いつき、エルフの門番は丁寧な口調で応じた。　ぶしつけな連中のあしらいには慣れている。格好だけである事が多いので、何かもっともらしい口実を与えると退散してくれるのだ。　・・・・しかし返事は嘲りに満ちた笑いだった。「エルフ風情が何を偉そうに！」「そのようなことは百も承知！　卑しき亜人の迷宮などに翻弄され、大騒ぎしているペンタウァ人の不甲斐なさ、我がバルア皇国にも伝わっておる！」「さすが子供の使うような剣と鎧しかない貧乏国だわ！」「我らはソーサリアンなどという胡乱な輩とは格が違うのだ！」「・・・・ほう、それはそれは」　エルフの門番は、さも感心したように頷いた。『卑しき亜人〜』の辺りで頬が引きつりかけたが、何とかこらえる事ができた。これも日頃の修練の賜物だろう。　しかし『子供の剣と鎧』とはよく言ったものだ。七惑星の力を帯びた装備は、それだけで絶大な攻撃力と防御力を秘める。重いだけの剣や鎧など必要ないのである。そんな事すら知らぬとは——エルフの門番は一人ごちた。「遊歴の身ながら名高きバルア騎士である我らが、わざわざペンタウァなどという辺境の地を訪れてやったのだ」「ありがたいと思え！」「真の勇者を知らしめてくれる」「御託はいいから早く門を開けないか！」　口々に喚きたてる四人の騎士。得意満面といった様子だ。　エルフの門番はにっこりと微笑んだ。「ではご案内しましょう。幸運をお祈りしています」

〜冒険の目的〜

洞窟の入り口に立つエルフポルフ・ぺぺは多くの傑作を世に送り出したドワーフの職人であった。ペンタウァのみならず大陸全土に名高い彼が、人騒がせな遺言を残したのが現在の騒動の発端となっている。曰く『難攻不落のドワーフの迷宮に生涯最後にして最高の傑作「幸運の戦斧」を隠した。腕に自信のあるものは挑むがいい』。群がる冒険者たちは迷宮のトラップと機械人形に返り討ちにされたが、挑戦者の数は減る様子も無い。呆れ果てた国王は入口に門を築いて実力者以外の挑戦を禁止したのである。ソーサリアンの登場が待ち望まれたのは言うまでもない。

〜冒険の目的〜
ポルフ・ぺぺは多くの傑作を世に送り出したドワーフの職人であった。ペンタウァのみならず大陸全土に名高い彼が、人騒がせな遺言を残したのが現在の騒動の発端となっている。曰く『難攻不落のドワーフの迷宮に生涯最後にして最高の傑作「幸運の戦斧」を隠した。腕に自信のあるものは挑むがいい』。群がる冒険者たちは迷宮のトラップと機械人形に返り討ちにされたが、挑戦者の数は減る様子も無い。呆れ果てた国王は入口に門を築いて実力者以外の挑戦を禁止したのである。ソーサリアンの登場が待ち望まれたのは言うまでもない。

〜登場アイテム〜

【光る石】[ LIGHT STONE ]
　綺麗にカットされた石。中心部分に黒い影がみえるが、半透明に濁っているためよく見えない。ときおり点滅を繰り返すが、特に魔力が込められているようすはない。

【幸運の戦斧】[ LUCKY BATTLE AX ]
　稀代の名工ポルフ・ぺぺが造り上げたバトルアックス。その斬撃は岩石を真っ二つにするほどだ。さらに強大な魔法が掛けられており、天空から巨大な雷雲を召喚する力を秘めている。

〜登場モンスター〜

【毒の槍】[ POISON LANCE ]
　地面から機械仕掛けで飛び出してくる槍のトラップ。仕掛け
られた穴は巧妙に隠されている。穂先には毒が塗っているの
で刺さったら命にすら関わるだろう。

【センティネル・プラス】
[ SENTINEL PLUS ]
　センティネルをベースとして様々な武装を強化したもの。鉤爪の付いた鋼鉄の腕を振り回して、侵入者を引き裂こうとする。
【センティネル】[ SENTINEL ]
　魔法を動力源とした徘徊する鋼鉄の歩硝。
鈍重そうな図体をしているが侵入者を発見
すればすみやかに殺到してくる。集団で行
動する知能も持たされているようだ。

センティネル・プラス

ナイト・ゴーレム

【ヒート・ゴーレム】[ HEAT GOLEM ]
　円形の楯を両腕に備えた、鉄鋼製の機械騎士。卓越した防御力を誇っている。しかも楯からは、炎の魔法を放ってくる。
【ナイト・ゴーレム】[ KNIGHT GOLEM ]
　魔法力によって動く、機械じかけの人形。
騎士の甲冑のような姿をしている。手にし
た大剣を楯を操るさまは、中に人間が入っ
ているのではと疑わせるほどだ。

ヒート・ゴーレム

スワーム【スワーム】[ SWORM ]
　魔法力で動いている、機械仕掛けの昆虫。軽い素材で造られており、羽を使って空中を飛び回る。ただし、動きはそれほど素早くはない。

【モノアイ】[ MONOEYE ]
　大きな一つ目を先端に備えた機械仕掛けの魔法生物。その目は遠くからでも侵入者の姿を捉えることができるようだ。細長い胴体に生えたコウモリのような翼で、空中を高速で動きまわる。

ラビリンス・ドラゴン【ラビリンス・ドラゴン】[ LABYRINTH DARGON ]
　双頭の竜。といっても魔法を動力源とした機械のドラゴンで、ポルフ・ぺぺの手による最高傑作の一つである。巨大な翼を備えているので飛翔することも出来るようだ。二つの頭から火球を吐き出すのに加え、蓄えられたエネルギーを雷撃に変えるという、本物のドラゴン顔負けの攻撃をしてくる。

〜登場キャラクター〜

ポルフ・ぺぺ

【エルフの門番】[ Gatekeeper ELF ]
　「ドワーフの迷宮」に挑む冒険者たちが、それなりの実力を持っているのかを確かめるのが門番の役割である。この門番はエルフだが、他にはドワーフや人間もいて、交替で任務についている。ペンタウァ王に任命されただけあって、それなりの慧眼の持ち主だといえるが、勘違いした挑戦者が多くてうんざりしているようだ。【ポルフ・ぺぺ】[ POLF PEPE ]
　“名工”“名匠”の称号をほしいままにしたドワーフ。刀剣・鎧はいうの及ばず、塔などの建築物や魔法で動く機械人形など、あたまの傑作を世に送り出した。しかしその遺言は「自分の最高傑作が欲しければ、難攻不落の迷宮に挑め」というもの。・・・・どうやら茶目っ気のある人物だったようだ。中には冗談にしか思えないような作品もあるという。
エルフの門番

THE AX THAT A DWARF LEFT『ドワーフの置土産』

THE AX THAT A DWARF LEFT
『ドワーフの置土産』