HOME ＞ 家庭用ゲーム機版 SORCERIAN ＞ ペンタウァの町 ＞ ソーサリアンの世界
| MEGA DRIVE |
“ペンタウァ”。
そこは、冒険者たちの集まる剣と魔法の町。
そこには、いろいろな種族の、いろいろな職業の者たちが集う。
少し先の尖った耳を持ち、亜麻色の髪を風に流し、遠くを眺めているエルフの少女。
背が低く、顔中に髭を生やし、斧を枕に昼間っから酒をかっ食らっているドワーフの男。
自慢の占いの結果に文句を言われ、その客と口論をしているウィッチ(女性のウィザード)。
戦いのない平和な一時であっても、武具の手入れに余念のない、若くハンサムなファイター。
そこに集まる者たちは、皆、もろもろの目的を持っている。
莫大な財宝を欲するもの、真理を探究するもの、
数多の冒険に胸をときめかせるもの、
主君のために戦いにおもむくもの……。
彼らは、数え切れぬほどの冒険を繰り返し、時には傷つき、時には癒し、時には出会い、時には別れ、武器を手に戦い、魔法の呪文を唱え、果てなき迷宮の中に、彼方に浮かぶ雲の上に、自分の力と知恵と勇気を信じ、数多の謎を解き明かしていった。
人々は、彼らを指してこう呼んだ、
「ソーサリアン」と……。
| PC Engine |
ソーサリアンの町、ペンタウア。そこには今だ魔法が存在する。
火星、木星、月、太陽、金星、土星、７つの星の力が混じり合う時。
不思議な力が生まれ、冒険者の望みをかなえてくれるという。
旅の途中で知り合った若き冒険者たちも、それぞれの夢をこの「町」にかけていた。
可愛らしい容姿からは、想像できないほどたくましいウィザードの娘。
背は低いけれど、力ならだれにも負けないドワーフ。
妖艶で、しかも知性あふれる大人の女、エルフ。
そして、剣と女にもてることでは、右に出るものはいない、ファイター。
今、ここに青き野心を抱いた４人のドラマが始まる。
| Dreamcast |
― 旅も終わりに近づいた。
腰まで届くあま色の髪を持つ女エルフ。
油断なくあたりを見回していた無口なドワーフ。
そして知的な額にうっすらと汗した若きウィザード。
それぞれがそれぞれの目に感嘆の色を浮かべていた。
砂漠の遠くに霞む町。
冒険を夢見る者すべてが胸ときめかせる町。
誰もが言葉なく、ただただ見つめていた。
砂塵混じりの風に髪をとかれながら、少年は母のことを思い出していた。
「おまえはすぐに危ないことばかりしたがる。母さんは心配でたまらないわ」
リスの巣を見ようとして木から落ちたとき、
滝の中にある洞窟に行こうと脚を滑らせ川でおぼれかけたとき、
いじめっこの友達がけしかけた大きな犬と取っ組み合いのけんかをし耳を噛み切られそうになった時・・・、かぼそい手で抱きしめてくれた母は今はいない。
村を襲ったのは「疫病」という名のモンスターだった。
悪夢のような日々が過ぎ去り奇跡的に残った人々の虚ろな目から避けるかのように、少年は旅立つことにした。
まだ子供といってもいい年の、頼る人も金もない旅。決して楽な旅ではなかったろう。
しかし、悲しみにくれる涙が、やがてしたたり落ちる汗に変わり、いつしかたくましい青年へと成長を遂げていた。
１人寒さに震えながら野宿する彼の心にともった希望とは、「冒険」という果てしない夢だったのだ。
小さいころから寝物語に聞いてきたソーサリアンの町、ペンタウァ。そこには未だ魔法が存在するという。
７つの星の力が混じり合うとき、満天にちりばめられた星の数ほど限りない力が生まれ、冒険者の望みを叶えてくれると。
旅の途中で知りあった３人の冒険者達も、それぞれの夢をその「町」にかけていた。
エルフの娘は冒険で得た報奨金で村を再建するつもりだ。
ドワーフは妹の病を治す薬を見つけに行く途中、どんな病でを治す薬を調合する魔法使いがペンタウァにいると聞いた。
まだまだ一人前ではないウィザードは、究極の魔法を捜し自分のものにしようとしていた。
そしてついにたどり着いた。
やはり魔法の町は存在したのだ。
野心を抱いた４人は、無言のまま、また歩き出した。