Sekaiju no MeiQ2 ★shoou no seihai★ SUPER ARRANGE VERSION
「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」 スーパー・アレンジ・バージョン

　5pb.Recordsから発売された『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』のアレンジ盤。ゲームミュージックイベント「EXTRA」シリーズ関連作品。2013年には販売終了したCDの中から特にリクエストの多いものを選んで復刻する「リパッケージプロジェクト」にて再発売されている。世界樹の迷宮II関連の音楽CDとしては、『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 ORIGINAL SOUNDTRACK』に続いて3作目となる。また、『世界樹の迷宮I』の曲共々アコースティックにアレンジされた作品集『ピアノと弦楽器の生演奏による 世界樹の迷宮I＆II SUPER ARRANGE VERSION』も出ている。また、2014年に発売されたリメイク版『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』のオリジナルサウンドトラック『新・世界樹の迷宮 ファフニールの騎士 Original Sound Track』は事実上の全曲アレンジ盤と言える。

　今作のサウンドプロデューサーは、前作『世界樹の迷宮 SUPER ARRANGE VERSION』と同じくGEM Impactの日比野則彦氏で、GEM Impact提携メンバーの鈴木克崇氏、イズタニタカヒロ氏と言った、アレンジャー陣も前作から引き続き参加しており、更に日比野氏自身もアレンジャーとして加わっている。また、前作でオーケストレーションをしていた鮎澤貴秀氏も同様に参加しており、レベッカ・エヴァンス氏が「迷宮IV 桜ノ立橋」のボーカルアレンジを歌うなど、前作の面々が再び顔を揃えている。なお、クレジットに記載されておらずどの曲目を演奏したかは不明であるが、パーカッション奏者として佐藤直子氏も前作より引き続いて参加している。また、やはりクレジットにはないが『世界樹の迷宮II piano sketch varsion』にてピアノを演奏した大貫祐一郎氏、そしてチェロの山崎みのり氏も今作に参加していると思われる。アメリカ出身のベーシストJeff Curry氏は初参加であり、メタル色の強いアレンジを披露している。ちなみに、Jeff氏は2010年に『P.S.すりーさん2011開幕盤』収録の「Hello 〜へいろー〜」（作曲が古代氏）でベースを弾いており、再び古代作品に参加する事になる。そして、「戦場 最後の戦い」〜「戦場 天の支配者」のラストボスバトル２曲のオーケストラメドレーでは、作曲者の古代氏本人が自らアレンジに参戦している。ゲーム内で音楽が流れる事を極めようとする古代氏が、自身の曲をアレンジ作品として世に送り出すことは珍しく、2002年の『THE SCHEME SOUNDTRACK』以来６年ぶりの事となった。ゲストアレンジャーの中では、光吉猛修氏の「H.」が前作より引き続いての参加で、今回は「街景 風は勇者を引き寄せん」「英雄たちの帰還」の２曲も担当しており、”セガ”らしいサウンドを聴かせてくれている。植松伸夫氏率いるバンドのTHE BLACK MAGESからは、キーボードの福井健一郎氏が参加。また、締めを飾る「戦場 散るもかなり」のアレンジを務めている桜庭統氏は初のゲスト参加。桜庭氏は元ウルフチームのサウンドスタッフであり、『スターオーシャン』や『ローグギャラクシー』、『テイルズ オブ シリーズ』などで有名で、古代氏とは、後に『勇者30』や『新・光神話 パルテナの鏡』で共演を果たしている。全体的には、好評であった前作を踏襲しながら、新メンバーの参戦や、ゲームファンが嬉々とするような試みがあり、より力が入った内容になっている。ライナーノートでは、Jeff Curry氏を除くアレンジャーのコメントとプロフィールを掲載。