Sekaiju no MeiQ3 *seikai no raihousya* ORIGINAL SOUNDTRACK
「世界樹の迷宮III 星海の来訪者」オリジナル・サウンドトラック／古代祐三

　5pb.Recordsから発売された『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』のオリジナルサウンドトラック。ゲームミュージックイベント「EXTRA」シリーズ関連作品。ゲーム発売のわずか１週間後の発売であった。また、３年後の2013年には販売終了したCDをリクエストで選んで復刻する「リパッケージプロジェクト」にて再発売されている。”世界樹の迷宮III”の音楽CDとしてはゲームの特典『世界樹の迷宮III 星海の来訪者 sound track Outtake』に続く2作目で、翌月には、早くもアレンジ盤の『世界樹の迷宮III 星海の来訪者 SUPER ARRANGE VERSION』が発売されており、その旨は帯でも告知されている。

　『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』は、ニンテンドーDSにてアトラスより発売されたダンジョン探索型RPG。ディレクターの小森成雄氏、イラストの日向悠二氏、音楽の古代祐三氏は前作から引き続き担当しており、今作では開発プログラムもアトラスが社内で自ら行っている。海都アーモロードを拠点に樹海に潜り地下へと目指していくストーリーで前作との繋がりはない。基本的なゲームシステムは前作までを概ね踏襲しているが、今作では新たな要素として、本編ダンジョンの樹海とは別に”大航海”のマップが加わっており、航路を開拓しつつ新たな街と交易を目指して旅する事となる。また、ワイヤレス通信にも対応している。職業は前作から総入れ替えとなり、また他の職業のスキルを習得できるサブクラスが選択できるようになった。シナリオは分岐するようになり、２周目にキャラを引き継げる”周回プレイ”が出来るなど、前２作から変化・進化したポイントが数多く存在している。なお、プラットフォームがニンテンドーDSなのは今作までであり、次作『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』は新たなハード・ニンテンドー3DSへと移行している。

　今作でもこれまでのシリーズ同様に、やはりFM音源を使った音楽がゲーム中に流れているが、『世界樹の迷宮』と『世界樹の迷宮II』での雰囲気と比べると比較的変化がある。古代氏は、「曲を作るにあたって昔のようにPCにダイレクトに打ち込んで作るスタイルへと回帰し、音色を１から作り直している」と言った内容をライナーノーツで語っており、ディレクター小森氏の「予想を裏切りつつ、期待には応えていく」と言う開発方針も相まってか、サウンドは根本から変化しつつ、シリーズの印象を大きく損なわないような変化・進化を果たしている。楽曲のほとんどは『世界樹の迷宮3』用に作られた新曲であるが、バトル終了の曲「報償」（前作までの曲名は「鉄華 至宝を得よ」だった）、ゲームオーバーの曲「もう一度旅立つまで」（前作での曲名は「14 もう一度挑む日まで」）、隠しボスバトルの曲「戦乱 散るもかなり」（前作までの曲名は「戦場 散るもかなり」）の３曲は流用アレンジ曲となっている。

　今回のCDでも、実際にゲームで使われたDS音源バージョンと、PC-8801のFM音源サンプリングを中心にして作られたバージョンを、いずれも全曲2ループで完全収録しており、この２種類の音源バージョンを収録するスタイルもはや恒例となっている。ライナーノートにはゲームディレクター小森氏のコメントと、古代氏のコメントとプロフィール、そして作曲者本人による各楽曲ごとの解説が載せられている。