Symphonic suite from ACTRAISER / YUZO KOSHIRO
交響組曲「アクトレイザー」／古代祐三

　アルファレコードのG.M.O.レコードレーベルより発売された『アクトレイザー』のオーケストラアレンジCD。『BARE KNUCKLE』のオリジナルサウンドトラックと同時発売。ちなみに、古代祐三氏のオーケストラ作品は他にも、2004年の『MERREGNON SOUNDTRACK-VOLUME 2』や、2010年の『PRESS START The 5th Anniversary』などが出ている。

　古代氏楽曲の交響曲アレンジ盤は、これまでにも1988年の『交響曲イース』や、1989年の『交響曲ソーサリアン』など、いくつか発売されていたが、これらはファルコムやキングレコード主導の中で古代氏が直接関与せずに出されたものであった。一方今作は、古代氏が直接プロデュースした作品で、指揮・オーケストレーションは映画やテレビアニメなどでも活躍する和田 薫氏が担当している（氏がゲーム音楽に携わったのは今作が最初となる）。ちなみに、今作は古代祐三氏名義のCDとしては初めてとなる全曲アレンジバージョンの作品でもある。冊子には1トラック目「オープニング〜天空城〜ブラッド・プール〜カサンドラ」の譜面を掲載している。

　『アクトレイザー』はそもそもオーケストラ楽器を想定したクラシック調の楽曲であったため、今回の全編オーケストラアレンジバージョンの発売は必然とも言える事であった。アクトレイザーは、ゲームミュージックのオーケストラコンサートの曲目として選ばれる事も多く、2007年9月に大阪と横浜で行われたオーケストラコンサート「PRESS START 2007」では、「オープニング 〜 捧げ物 〜 エンディング」のメドレーが演奏されており、2013年6月に東京で行われた日本BGMフィルハーモニー管弦楽団による「アンサンブルコンサート II」では「小組曲アクトレイザー」として「天空城 〜 オープニング 〜 降臨 〜 世界樹」が演奏され、同年10月に行われた「コンサート2013 “Beyond the GameMusic”」でも締めを飾るタイトルとして「天空城 〜 オープニング 〜 降臨 〜 世界樹」と「人々の誕生 〜 降臨 〜 フィルモア」が披露されている。『アクトレイザー』の楽曲は海外でも演奏されるなど国内外を問わずファンが多く、現在（2015年）においても古代氏の代表的な作品と位置づけられている。

【第5回日本ゲームミュージック大賞第16位】(電波新聞社)