TEN PLANTS
テン・プランツ

　バイオスフィアレコードのアクアレーベルから発売されたオムニバスCD。

　『TEN PLANTS』を企画したのは、ファイナルファンタジーシリーズの音楽で有名な植松伸夫氏と、ハドソン（当時）の笹川敏幸氏の両名。今作は、ゲーム会社の枠を超えて集ったゲームミュージック界の著名な作曲家たちが、「和み」をテーマにして各々自由に楽曲を持ち寄った作品となっている。翌1999年には今作と同様のコンセプトで、「children song」をテーマにした第2弾『TEN PLANTS 2』も発売されており、今作とはまた違ったメンバーが集結している。

このCDに参加しているメンバーは以下の通り。
  ●東野美紀氏（コナミ：グラディウス、サラマンダ、ときめきメモリアル、幻想水滸伝など）
  ●多和田吏氏（ダンジョンマスター、イーハトーヴォ物語など）
  ●植松伸夫氏（スクウェア：ファイナルファンタジーシリーズなど）
  ●崎元仁氏（スクウェア：オウガバトル、ファイナルファンタジー・タクティクスなど）
  ●KENYU氏（ボンバーマン、ビーダマンなど）
  ●笹川敏幸氏（ハドソン：天外魔境シリーズなど）
  ●細江慎治氏（ナムコ→アリカ：リッジレーサー、武士道ブレードなど）
  ●Thelonious Monkeys with The Sleepwalk（悪魔城ドラキュラ、マダラ２など）
  ●古代祐三氏（エインシャント：イース、ソーサリアン、アクトレイザー、ベアナックル、など）
  ●竹間ジュン氏（ボンバーマンなど）

　ちなみにこういった市販のオムニバスCDに古代氏が参加するのは今作が初めてであるが、同人を含めるとこれまでにも何枚かアルバムを出しており、1991年の『SYNERGY MCMXCI』や1993年の『GREAT WALL』では、今作にも参加している細江慎治氏や崎元仁氏といったメンバーも古代氏と共にしている。今作以降のオムバス作品では、特に細江氏と共演する機会が多く、『STREET FIGHTER Tribute Album』、『Pink Sweets Original Sound Track』、『FM音源マニアックス』、『EXTRA - OFFICIAL COMPILATION』と、4作にも及んでいる。さらに、2013年に発売された細江氏のアルバム『細江慎治 WORKS Vol.3 DRAGONSABER』では、古代氏がアレンジャーとして招かれていたりする。

　今回、古代祐三氏が提供した曲「秋風索漠」は、メロディラインが際立っている、積極的に”聴く”ような曲ではなく、近年にセガサターンで出した『トア 〜精霊王紀伝〜』の音楽ような、BGMとしてその場に溶け込む環境音楽的な感じの曲調になっている。作曲と演奏に使っている音源は、古代氏がちょうどこの時期に手がけていた『カルドセプト』と同じく、RolandのMIDI音源：SC-88Proの一台のみで完結していると思われる。CDのブックレットには、参加メンバーの写真や簡単なプロフィール、そしてコメントなどを掲載。