5pb.のFive Records レーベルから発売された、古代祐三氏の往年の名作集。2ヶ月前に発売された『Yuzo Koshiro BEST COLLECTION Vol.1』に続くベストコレクションシリーズ第2弾。ジャケットイラストは、前作と同様に寺沢武一氏による描き下ろしとなっている。 今作は古代氏が手がけた作品の中から、セガのメガドライブで発売された『ザ・スーパー忍』と『ベア・ナックル』シリーズ３作の、計４作品のサントラを収録している。収録タイトルの全作がFM音源作品であり、全曲が新規レコーディングされている。いずれのサントラも過去にCDで発表したことのある作品で、過去のCDに未収録曲をプラスするなどした復刻版サウンドトラックとなる。なお、2012年には『ベア・ナックル』シリーズの総合オリジナルサントラ（メガドライブ音源バージョン）『BARE KNUCKLE ORIGINAL SOUND TRACK』も発売されている。 Disc1前半は、1989年12月に発売された『THE SUPER SHINOBI』のサウンドトラックの復刻版にあたる。
『ザ・スーパー忍』は、1989年12月にセガからメガドライブで発売された横スクロールアクションゲーム。主人公の忍者ジョー・ムサシを操作し、刀や手裏剣などを使って敵忍者を倒しながら全8ラウンドを攻略して行く。今作は古代氏が初めて手がけた家庭用ゲーム機作品で、和風的な旋律やロック・ダンスミュージックのテイストをミックスして曲が作られている。このCDでは、ゲームの原曲にあたるPC-8801のサウンドボードIIバージョンを収録。'89年版のサントラには入っていなかった「LONG DISTANCE」が今回初収録されている。また、1989年の同人ゲーム『WANDERERS FROM SUPER SCHEME』にて1面のボス戦の曲「幽霊ロック」として使われた曲は、元々今作の未使用曲であり、この曲が「UNTITLED」として今回収録された。なお、'89年版サントラにあった”WORKS”にあたる4曲とアレンジバージョン4曲は収録されていない。ちなみに、2009年に発売されたジョー・ムサシを主人公とした全ゲームの総合オリジナルサウンドトラック『LEGEND OF JOE MUSASHI - SHINOBI MUSIC COLLECTION』では、今作のメガドライブ音源バージョンが収録されている。 Disc1後半は、1991年9月に発売された『BARE KNUCKLE』のサウンドトラックの復刻版にあたる。
『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』は1991年8月にセガからメガドライブで発売された横スクロール格闘アクションゲーム。タイプの異なる３人の主人公を操作し、格闘で敵を倒しながら進んでいく。全８ラウンド構成で、各ラウンドのラストに待ち受けるボスキャラを倒すとラウンドクリアとなる。今作では、当時浸透し始めていたハウスミュージックを本格的にゲームミュージックに持ち込んでおり、それまでのゲームにはないグルーヴを生み出した作品となった。こちらもやはり、原曲のPC-8801のサウンドボードIIバージョンを収録している。完全2ループ収録になったことで、'91年版のサントラよりも収録時間が長くなっている曲が多く、特に「Moon Beach」「Beatnik on the Ship」の2曲は倍近い長さで収録されている。ちなみに、こちらも'91年版のサントラに入っていたスーパーアレンジバージョンは収録されていない。 Disc2は、1993年1月に発売された『BARE NUCKLE II』のサウンドトラックの、復刻版にあたる。
『ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌』は1993年1月にセガからメガドライブで発売された横スクロール格闘アクションゲーム。開発は古代氏の会社「エインシャント」が担当している。基本的なゲームシステムは前作と同様であるが、カセット容量の大きくなった今作では、表示キャラクターが大きくなり、動きも滑らかになって、見た目は大きく変化している。また、コマンド入力で必殺技が出せるようになっていて、主人公キャラ同士の対戦モードも用意されているなど、より格闘要素の強い作品となっている。今作ではテクノ系のミュージシャンである川島基宏氏が加わっており、前作のサウンドに深みを増しつつもテクノ色の強い楽曲となっている。開発と音楽制作を一手に行った事でゲームとの親和性も高く、全体的に完成度の高い音楽へと昇華している。このCDでは、ゲームの原曲にあたるPC-8801のサウンドボードIIバージョンを収録。内容は'93年版のサントラと大きく変わりはないが、「Good End」の1曲だけは2倍ほどの収録時間となっている。 Disc3は、1994年8月に発売された『BARE KNUCKLE III』のオリジナルサウンドトラックの、復刻版にあたる。
『ベア・ナックルIII 鉄拳聖典』は1994年3月にセガからメガドライブで発売された横スクロール格闘アクションゲーム。基本的なゲームシステムは前作までのを踏襲しつつ、全キャラにダッシュ機能が追加されており、多彩な必殺技を繰り出すことができるようになった。ラウンド間にはビジュアルシーンが入り、ストーリーの進行を具体的に追える様になっている。今作で古代氏は、自身開発した自動作曲プログラム「M98」を使って独特で特異な音楽を作成しており、川島氏のテクノ系の音楽と融合する形で、極めて斬新な音楽を生み出している。なお、今作では音楽の開発環境がPC-8801からPC-9801へと移行している。このCDでは、メガドライブ音源のオリジナルサウンドトラックを収録している。完全2ループ収録になったことで、'94年版のサントラよりも収録時間が長くなっている曲が多く、「Beat Ambience」「Sinobi Reverse」「Percussion」「Moon」「The Poets II」「Dub Slash」「Inga Rasen」「Crazy Train」と、約半数もの曲が倍近い収録時間となっている。また、'94年版のサントラには入っていなかった、ベアナックルシリーズ共通の曲である「Round Clear」と「Game Over」の２曲、初代のオープニング曲アレンジである「Ending」の１曲、そして、「Disco」「ROBO X」「BGM I」「BGM II」「BGM III」「BGM IV」の６曲が今回初収録されている。 | 
